称賛がもたらす行動変容。JINSの「評価制度」とは?

ジンズならではの企業文化の醸成を促す

ジンズ本部で働く社員の人事評価は、業績評価と相互評価との二軸になっています。比率は、いずれも50%。相互評価とは、ジンズが求める働き方や行動指針を体現している人を評価する仕組みです。ユニークなのは、仕事に関係した社員同士で相互に評価を送りあえること。まさに、部署の垣根を越えたオープンで公平な評価制度といえます。この制度が導入されたのは2020年3月。以来、半期を1クールとして、年2回のペースで実施されています。

この制度の導入をリードしたのは、人事戦略本部の小林真吾さんです。制度を導入した背景や特徴をこう語っています。

「相互評価の目的は企業文化の醸成です。モデルとしたのは大手外資系投資銀行が行っていた360度評価。『それをジンズ流にアレンジできないか』という提案が田中CEOからあり、準備に着手しました。制度設計で重視したポイントは二点。コミュニケーションをいかに促すかと評価の軸をどこにおくかでした。最終的には、ジンズが定める行動指針に沿った働き方ができているかを評価の軸としました。1クールを終えましたが、具体的な成果はこれからという段階です。それでもジンズのビジョンや3つのAttitude(姿勢)を実現するには、どういう行動を取れば良いのかを、社員にも日々、考えてもらいながら、浸透させていける施策を実現できたのは、良かったと思っています。また、中途入社される方にとっても、評価軸が複数あるのは安心と言えるでしょう。」
 

実際に、社員はこの制度を利用してどんな印象を抱いたのであろうか。評価ポイントが高かった二人に聞いてみました。


まずは、グローバルIT戦略本部の川崎顕史さんです。


「相互評価の魅力は、皆で仕事をやっていると認識できることです。田中社長も『一人で仕事をするのは完成型ではない、色々な人と関わって初めて大きな仕事ができる』と良く言っています。この評価制度があることで、より色々な人を巻き込んでいこうという思考になりますし、組織や会社全体で仕事ができるようになったと感じています。といっても、僕自身は仕事のスタイルは変えていません。ただ、いつも以上に自分が見られていること、他の人の仕事の仕方をより意識した気がします。また、今まで以上に周りと関わりを持って仕事をしていこうと思うようになりました。もともと、ジンズは自らやりたい仕事を手を挙げれば、やらせてもらえる会社です。積極的に周囲に声掛けし、一緒に仕事をやっていくことを心がけて行けば、より大きな仕事を実現することにつながってくるので、この制度を利用する価値は大きいと思います。特に、コロナ禍になって会話の量が減っているだけに、逆に社員同士のつながりを大切にすべきです。例えば、こういう状況で中途入社した場合、周りの人に自分をどう知ってもらえば良いか、孤立しないためにはどうするべきかと不安になるはずです。そこにも一役買ってくれる制度といえるでしょう。今後は個人だけでなく、組織同士での相互評価を取り入れるのも面白いかもしれません。」
 

もう一人は、IMD(Instore MD)グループの澤田美佳さんです。

「この評価制度を通じて、多くの方から『良い仕事ができたね』というコメントが寄せられ、とても嬉しかったです。日頃から何かを変えていこうというスタンスで仕事に臨んでいるので、今までどうだったかを様々な人にヒアリングし、一緒になって解決策を練っていたことが評価いただけたのかもしれません。逆に自分が評価する立場になると、言葉遣いに気を遣いますし、その方にとって有益な情報になればと願って書こうとするので、かなり時間を費やしてしまいます。特に私は考える性格なので、送信枚数は考えていたよりも少なくなってしまいました。もっと気軽に良いねと送れるような仕組みもあればと思います。コロナ禍でコミュニケーションが減っている時期だからこそ、良い仕事や行動を評価されると、仕事のモチベーションが上がります。中途で入社される方もお互いに褒めたり褒められたりすると、この仲間と一緒に成長していきたいという想いが強くなっていくはずです。行動指針を振り返るにしても、ジンズがどこに向かおうとしているのかを理解するためにも、相互評価は素敵な制度であると感じています。」

もちろん、相互評価制度は導入して終わりではありません。社員の要望を加味しながらより良いものに作り変えていく必要があります。小林さんに今後に向けた抱負を語ってもらいました。

「引き続き公平・平等であることを担保していかないといけません。評価されるべき人をしっかりと評価する。そのスタンスを明確にしていきたいです。また、業務の特性上、他部署とのコミュニケーション量が多い部署やベクトルが外に向いている職種がどうしても評価されやすいので、その点も改善したいです。」