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JINSMEMEグループ マネジャー  井上 一鷹

1983年生まれ。慶應義塾大学理工学部卒業後、戦略コンサルティングファームであるアーサー・D・リトルに入社し、大手製造業を中心とした事業戦略、技術経営戦略、人事組織戦略の立案に従事。2012年にジンズに入社。社長室、商品企画グループマネジャーを経て、現在はR&D室マネジャー。学生時代に算数オリンピックアジア4位、数学オリンピック日本最終選考に進んだ経験がある

入社してから現在までのお仕事の内容を教えてください。

最初の1ヶ月は経営企画に携わっていたのですが、社長の田中から、「コンサルティングファームの延長線上の仕事をするよりも、事業そのものに携わった方が成長できるでしょう」という言葉とともに、商品企画グループに異動になり、その後、R&D室に携わることになったのです。現在は、シーズ段階から携わっている、眼鏡型ウェアラブルデバイスのJINS MEMEの商品化が佳境に入っています。

JINSにおけるR&Dは新素材の発掘といった仕事だけでなく、「情報開発」が極めて重要です。たとえばJINS PCは、「ブルーライトは目に良くない」という情報開発と、「ブルーライトを防ぐ機能」という商品開発が融合した結果、多くのお客さまに支持される商品となりました。こういうものを担当するのがR&Dの仕事です。

JINS MEMEという全く新しいプロダクトの開発をゼロから担っていますね。

JINS MEMEをかけることで、眼の動き、まばたきなどを通じて、さまざまな情報を読み取れます。「目は口ほどにものをいう」といいますが、人間の五感に占める視覚の割合は約87%であり、JINS MEMEが取得できる情報は非常に「深くて膨大」です。

テクノロジーの進歩はすさまじいものがありますが、まだ残されているのは「人の内面」の部分です。ビッグデータだけでなく、「ディープデータ」の取得が可能になるということです。ここから考えられる用途は、実に多様です。例えば運転中の眠気をリアルタイムに察知することも可能ですので、運送会社が導入すれば、居眠り運転による事故を防げる可能性があります。また、疲労の度合いを把握することができ、オフィスでの最も生産性の高い働き方を実現できるかもしれません。
現在、JINS MEMEの社会的意義のある用途として「先制医療」に注力しています。病気になる前に手を打つということです。

今、女性の平均寿命は86.6歳ですが、自立して1人で生きていられる健康寿命の平均は74.2歳だと言われています。ご自身の力だけでは快適に過ごすことが難しい時期が、どうしても訪れることになります。単にお年寄りの増加が問題なのではなく、健康寿命が終わった後こそが重要であり、健康寿命を延ばすことは国家的な課題です。ではどうしたらいいかというと、自分の状態に合わせて、生活習慣病に打ち勝っていかなければいけない。自分の状態を常に知って、マネジメントする行為が必要なのです。まさに、JINS MEMEの出番です。

もちろん、JINS MEMEはスポーツに使うこともできますし、周辺の家電を動かしたり、スマホを操作するなどの役割も可能ですから、ユーザーにとって役立つだけでなく、面白い使い方もどんどん出てくるかと思います。

井上さんから見て、ジンズはどういう会社だと定義することができますか。

「常識をつくるために、既存に対して非常識でいるということをずっと考えている会社」です。今、開発をしていて思うことは、これだけ技術領域が広く新しいことに取り組むと、それは新し過ぎて、常識すらわからないのです(笑)。全く常識を知らない対象に突っ込んでいくので、その業界にとっては、「その切り口は面白い!」ということになるのですが、それは常識を知らないからできたことで、偶発的なのです。

オープンイノベーションや新領域進出の際に、私は、田中仁という人間を再度すごいと思います。びっくりするほど「てらい」がないのです。「俺はここが分からないから、ちゃんと分かる人を一緒に探そう」と言うのです。その影響で、私も知らないという怖さに対して、分かる人に素直に聞くしかないということを繰り返し学んできました。それはオネストであるとか、素直としか言いようのないものなのかもしれません。

井上さん自身はジンズに入社して、どう成長しましたか。

今やっているJINS MEMEは、「振り切って完全に新しい事業をつくろう」という、ベンチャーの社長が考えるようなものなのです。私もアサインされて講演をする機会があるのですが、そこで同席するのはベンチャーの社長達です。彼らと話をすると、割と同じことを考えているなという感じがします。私が考えていないのは資金繰りぐらいかもしれません。入社前と現在では、事業の当事者として、イノベーションを担う者として、何らかの成長が出来ているのかなと感じます。

会社のビジョンである、Magnify Life(マグニファイライフ)をどう考えていますか。

Magnify Lifeには「アイウェアを通じて、見るものだけでなく、人々の人生をも拡大し、豊かにしたい」という想いが込められていますが、私が担当しているR&Dの観点からもこのビジョンを日々体感しています。人々のライフスタイルの選択肢を増やすという取り組み自体がR&Dの機能であり、それはMagnify Lifeそのものだと思っています。日本ではウォークマン以降、大きく人々のライフスタイルを変えたものはないと言われますが、そこを打破したいと思っています。



 
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