グローバルデジタル本部
テクノロジー戦略本部
シニアディレクター

事業をサポートする組織から 牽引する組織へ

Profile

澤田 和寿
大学院修了後、国内総合コンサルティング会社にて、大手小売業向けシステムコンサルティングおよびシステム構築に従事。その後、外資戦略コンサルティング会社にて、外資大手小売業向けグローバル統合プロジェクトに携わる。2013年JINS入社。グループ全体のIT戦略・予算策定から、システム企画、運用まで広く担当。

IT経営改革室のミッション

事業会社のIT部門というのは、会社のニーズをベンダーにそのまま伝える伝書鳩のようになりがちですが、JINSのIT経営改革室の人材には、事業にとってのベストを常に考え自立・自走しITを作ることが求められています。そのために、メンバー各々がアイウエア事業や業務の理解に加え、業界を俯瞰して、企画・製造から物流・販売までを一気通貫するSPAモデルの理解に基づき業務にあたることが重要と考えます。

SPA(製造小売業)×IT

前職まで、大手小売業向けのプロジェクトに恵まれて約6年間を過ごしましたが、それよりもJINSでの約5年間での方がはるかに密度濃かったと感じています。JINSは海外展開もしており、中国で製造したものをグローバル各国へ輸送し、販売するためのシステム構築はチャレンジングなものでした。
新しい技術も積極的に取り入れています。グローバルでの販売・在庫・購買の管理や、管理会計・財務会計のためにSalesforceをいち早く導入、AWSのサーバーレスも2015年に実現させました。今はMicrosoft Dynamics 365とSalesforceのMarketing Cloud、Service Cloudをメインに据えています。さらに、JINS MEMEのIoTプラットフォーム構築という、ソフトウエアとハードウエアを横断するよう取り組みができるのもJINSならではのやりがいですね。
JINSがこうした投資をクイックに行えるのは、一般的な小売企業よりも利益率が高いビジネスモデルだからです。また、上場企業であり、一定規模がありますから、同等のベンチャーよりも大きな投資がしやすいのです。

逆転の発想からのシステム統合

発想の転換は2015年のJINS MEME開発プロジェクトと海外展開が同時進行したタイミングでした。当時、システム担当がたった5人しかおらず、苦肉の策をいくつも講じた結果として効率化が進みました。
たとえば、Salesforceの使用目的は営業支援やマーケティング支援が通常多いですが、JINSでは社内コミュニケーションポータルとしての活用が入口でした。グローバルで使うために多言語対応が必要だったのと、かつ近い将来にアプリケーションプラットフォームで使えることまで視野に入れたのがその理由ですが、今もグローバルの業務システムはSalesforce上で構築していますし、各種データ統合も結果的にシームレスな状態となっています。

ITなくしてJINSのイノベーションは
生まれない

JINS MEMEの記者発表当時は、IoTという言葉もウェアラブルという概念もまだ一般的ではなく、当社にもノウハウは十分ではありませんでした。そこで半年後の製品化に向けて、AWSを導入しました。途中からLambdaが出てきたので結果的にサーバーレスになりましたが、運用コストを最適化するために、常に新しいサービスに移行させてきたというのが実情です。新規事業では、見合うリターンが得られるか分からない状態での投資になりますから、運用コストの抑制が大命題になります。
JINS BRAINはAIでメガネのマッチ度を測定するものですが、これはあるパートナー企業からの誘いで、AI研究者との接点があり、スモールスタートで手がけてみようとしたのが始まりでした。そのアイデアをCEOの田中が気に入って、全社を巻き込み、教師データを店舗スタッフ3000人から集めて行うこととなったのです。トップが先進的技術に意欲的だというのは、やはり大きいですね。

世界でJINSの商売を支える

JINS MEMEやAIは対外的にはJINSの先進性を象徴するプロジェクトですし、私たちにとってももちろん大切なのですが、JINSの本丸である「アイウエアを作って世界中で売る」という部分においてシステムが担う役割は極めて重要です。Salesforceというプラットフォームをベースに置き、サードパーティー(AppExchange)によるアプリケーションを用いて、その時点で最適なワークステーションを導入し、システムを構築するといったことはまさに事業や経営を最適化する観点から行ったことです。パブリッククラウドとしてAWSを導入し、ここに、Eコマースやデジタルサービスに関するシステムを乗せ、さらに業務システム、会計システムも乗せていきました。もし、これが国産のクラウドであればアメリカでは使えない、というようなことが起こります。グローバルパッケージであることが重要で、JINSではこの考えがインフラからアプリケーションまで一貫しているので、グローバル展開が容易なのです。SaaSやIaaSのサービスも全て、先進性を求めつつも、事業や経営の実態に根ざし、地に足をつけてITを考えることを非常に重要だと考えています。

IT人材が活躍できる場がここにある

ITコンサルタントなどフロント業務にとっては、ビジネス側の事業部門と新しいことを作っていくことが、極めてやりやすい環境です。IT部門が単体で動くのではなく、部門を超えて、日常的に他のメンバーに声を掛けやすい風土なので、何かを始めやすいということ。これは、一般の事業会社のIT部門との大きな違いでしょう。
また、チーム体制としてもコミュニケーションが円滑で、協力を得やすい環境にあります。オフィス内ではSlackを用いており、オンラインツールはベンダーも含めて導入しています。
そうした環境下でそれぞれが専門性高く、企画から運用までやりきれるというのを前提に、仕事は各人に渡しきられています。分析、サプライチェーン、バックオフィス、会計といったどんな領域であっても、ビジネス部門と一緒になってシステムを創り上げていくというスタンスです。
エンジニアにとっては、新しい技術に積極的でやりがいのある環境だと思います。JINS MEMEを通じてIoTにいち早く着手したことをはじめ、JINSアプリなど新しいサービスの構築や、それに伴う新しい技術の活用、事業投資もどんどん行っています。これだけチャレンジ機会のある事業会社というのも、なかなか珍しいのではないでしょうか。

この記事を読んでくださっている方へのメッセージ

大事にしているのは、「いいひと」と仕事をしたいということです。ビジネスは1人でできるものではなく、事業部門やチームの仲間との協力が不可欠です。周囲との親和性高く、一緒にものを創り上げていこうという姿勢で、チームワークにコミットできる人が合うのではと思います。
もう一つ大事なのは、チャレンジしながら自分で動けること、ですね。仕事を進める上で困難はつきものですが、そんな時にも自ら率先して動く人であれば、やりがいをもって熱意を形にできる会社です。一緒に新しいものにチャレンジしていきましょう。